火傷を負った際、保護者や本人が、最も判断に迷うのが、「この火傷は、病院に行く必要があるのか?」という点でしょう。その判断の基準となるのが、火傷の「重症度」です。火傷の重症度は、主に、その「深さ」と「範囲(面積)」によって決まります。この二つの要素を、自分である程度、評価できるようになることが、適切な受診行動に繋がります。まず、火傷の「深さ」は、医学的に、I度、II度、III度の3段階に分類されます。I度熱傷は、最も浅い火傷で、皮膚の表面(表皮)だけが損傷した状態です。皮膚が赤くなり、ヒリヒリとした痛みを伴いますが、水ぶくれはできません。日焼けと同じ状態です。これは、多くの場合、十分な冷却と、保湿ケアで、数日で跡を残さずに治ります。II度熱傷は、皮膚の少し深い層(真皮)にまで、損傷が及んだ状態です。この深さの火傷の、最大の特徴が、「水ぶくれ(水疱)」ができることです。強い痛みを伴い、治るまでに2週間以上かかることもあります。II度は、さらに、浅いもの(浅達性II度)と、深いもの(深達性II度)に分けられ、後者は、傷跡が残りやすくなります。水ぶくれができた場合は、自己判断せず、医療機関を受診するのが原則です。III度熱傷は、最も深い火傷で、皮膚の全層、あるいは、その下の皮下組織まで、壊死してしまった状態です。皮膚は、白っぽく、あるいは黒く焦げたようになり、硬くなります。神経も破壊されてしまうため、逆に、痛みを感じなくなるのが特徴です。この深さの火傷は、自然に治ることはなく、皮膚移植などの手術が、絶対に必要となります。次に、火傷の「範囲」です。目安として、大人の手のひら1枚分の大きさが、体表面積の約1%に相当します。II度以上の火傷が、体表面積の10%(子どもの場合は5%)を超える場合は、入院治療が必要な、重症熱傷と判断されます。受診の目安をまとめると、①水ぶくれができている(II度以上)、②皮膚が白くなったり、黒くなったりしている(III度)、③火傷の範囲が、手のひらよりも大きい、④顔や、手足の指、関節、陰部といった、特殊な部位の火傷、⑤子どもや高齢者の火傷、⑥電気や化学薬品による火傷。これらのいずれかに当てはまる場合は、必ず、医療機関を受診するようにしてください。
火傷の重症度の見分け方と受診の目安