大人の全身に発疹が現れる原因として、最も頻度が高いものの一つが、ウイルスによる「感染症」です。子どもの頃に、かからなかった、あるいは、ワクチンを接種していなかった、いわゆる「子どもの三大発疹症(麻疹・風疹・水疱瘡)」に、大人が初めて感染すると、子どもよりも、はるかに重い症状に、苦しむことが少なくありません。これらのウイルス感染症が疑われる場合、受診すべき診療科は、「内科」または「皮膚科」です。まず、「麻疹(はしか)」は、非常に感染力が強く、重篤な合併症(肺炎、脳炎)を引き起こす、危険な病気です。38度以上の高熱と、咳、鼻水、目やにといった、強い風邪症状が数日間続いた後、口の中に、コプリック斑という、白い斑点が現れ、その後、耳の後ろから、全身に、癒合傾向のある(発疹同士がくっつく)赤い発疹が広がります。次に、「風疹(三日ばしか)」も、発熱と、全身の淡い発疹が特徴ですが、耳の後ろや、首のリンパ節が腫れるのが、大きな特徴です。大人の場合は、関節痛を伴うことも多いです。特に、妊娠初期の女性が感染すると、胎児に、心臓の奇形や、難聴、白内障といった、深刻な障害(先天性風疹症候群)を引き起こすため、社会全体での予防が、極めて重要です。そして、「水疱瘡(みずぼうそう)」は、発熱と共に、赤いブツブツから、かゆみを伴う「水ぶくれ(水疱)」、そして「かさぶた」へと、時間と共に変化する発疹が、全身に、新旧混在して現れるのが特徴です。大人がかかると、肺炎を合併しやすく、重症化するリスクが高いとされています。これらの病気は、それぞれに特徴的な発疹と、臨床経過があるため、医師は、問診と診察で、多くの場合、診断を下すことができます。必要に応じて、血液検査で、ウイルスに対する抗体の量を測定し、診断を確定させることもあります。ウイルス性の感染症であるため、抗生物質は効きません。治療は、発熱や、かゆみといった、つらい症状を和らげる、対症療法が中心となります(水疱瘡には、抗ウイルス薬が用いられます)。