ウイルス感染が原因、風邪やインフルエンザ
喉の奥に、赤いぶつぶつができる原因として、最も頻度が高いのが、ウイルスによる「急性咽頭炎」、すなわち、一般的に「風邪」や「喉風邪」と呼ばれる状態です。私たちの鼻や喉の粘膜は、常に、外部からのウイルスや細菌の侵入に晒されています。疲労や、睡眠不足、寒暖差などで、体の免疫力が低下すると、これらのウイルスが、粘膜に付着・増殖し、炎症を引き起こすのです。風邪の原因となるウイルスには、ライノウイルスや、コロナウイルス、RSウイルスなど、200種類以上も存在すると言われていますが、その多くが、喉に炎症を起こします。ウイルスに感染すると、喉の粘膜は、防御反応として、血管を拡張させて、免疫細胞を呼び集めようとします。このため、粘膜が赤く充血し、腫れあがります。喉の奥の壁(咽頭後壁)には、リンパ濾胞(りんぱろほう)と呼ばれる、小さなリンパ組織が、点在しています。ウイルス感染によって、これらのリンパ濾胞が、炎症を起こして、赤く腫れあがることで、私たちの目には「赤いぶつぶつ」として、認識されるのです。特に、冬場に流行する「インフルエンザウイルス」や、夏場に「プール熱」として知られる「アデノウイルス」に感染した場合は、喉の炎症が非常に強く、扁桃腺まで真っ赤に腫れあがり、高熱や、全身の倦怠感といった、強い全身症状を伴うことが、多くあります。ウイルス感染が原因の場合、特効薬はなく、抗生物質も効きません。治療は、痛みや熱を和らげるための解熱鎮痛薬や、炎症を抑える薬、うがい薬などを用いた「対症療法」が中心となります。そして、何よりも重要なのが、十分な休養と、こまめな水分補給です。体をゆっくりと休ませ、免疫力が高まるのを助けることが、ウイルスを体から追い出すための、最良の薬となるのです。