地域医療機関・健康施設の紹介とレビュー

2025年10月
  • ものもらいの種類で治る期間は違う

    医療

    「ものもらい」と一括りにされがちな、まぶたの腫れや痛み、どちらのタイプの「ものもらい」なのかによって、治るまでの期間や、治療法も大きく変わってくるのです。自分の症状がどちらのタイプに近いのかを知ることは、今後の経過を予測し、正しく対処するための、重要な手がかりとなります。まず、多くの人が「ものもらい」としてイメージするのが、「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」です。これは、まつ毛の根元にある、汗を出す腺(モル腺)や、皮脂を出す腺(ツァイス腺)に、黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して起こる、いわば「まぶたの、おでき」や「ニキビ」のようなものです。主な症状は、まぶたの縁が赤く腫れ上がり、ズキズキとした痛みや、押した時の痛み(圧痛)、そしてかゆみを伴うことです。炎症が進行すると、腫れた部分の中心に、膿を持った白い点(膿点)が見えるようになります。この麦粒腫は、急性期の炎症であるため、治るまでの期間は比較的短いのが特徴です。軽症であれば、抗菌薬の目薬や軟膏による治療で、三日から一週間程度で治癒します。膿が溜まって腫れがひどくなった場合でも、自然に破れて膿が出るか、眼科で小さく切開して膿を排出すれば、その後は急速に快方に向かいます。一方、もう一つのタイプが「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」です。こちらは、まぶたの内側にある、油分(脂質)を分泌して、涙の蒸発を防ぐ「マイボーム腺」の出口が詰まってしまうことが原因で起こります。詰まった腺の中に、分泌物である脂が溜まり、肉芽腫(にくげしゅ)という、しこりのような塊を形成する、無菌性の炎症です。霰粒腫の主な症状は、麦粒腫のような強い痛みはなく、まぶたの腫れや、まぶたの中にできた「コリコリとしたしこり」、そして目にゴミが入ったような異物感(ゴロゴロ感)です。この霰粒腫は、慢性的な経過をたどることが多く、治るまでの期間は、麦粒腫よりも長くなる傾向にあります。小さなものであれば、数週間から数ヶ月かけて、自然に吸収されていくこともありますが、しこりが大きい場合や、そこに細菌が二次感染して、急性霰粒腫(きゅうせいさんりゅうしゅ)という、麦粒腫のような強い痛みを伴う状態になると、治療が長引くことも少なくありません。このように、あなたのまぶたの不調が、痛みを伴う「麦粒腫」なのか、しこりが主体の「霰粒腫」なのかによって、治るまでの期間は、大きく変わってくるのです。

  • ものもらいとコンタクトレンズ

    知識

    ものもらいになってしまった時、普段コンタクトレンズを使用している人にとっては、その扱いが非常に悩ましい問題となります。「いつまでコンタクトを休めばいいのか」「治りかけなら、短時間だけなら大丈夫か」。その判断を誤ると、治るまでの期間が長引くだけでなく、角膜を傷つけるなど、より深刻な目のトラブルを引き起こす可能性があります。ものもらいが治るまでの期間は、「コンタクトレンズの使用は、完全に中止する」というのが、絶対的な鉄則です。その理由は、大きく分けて三つあります。第一に、「感染のリスク」です。細菌感染が原因である麦粒腫の場合、コンタクトレンズの表面や、レンズケースの中で、細菌がさらに増殖してしまう可能性があります。その汚染されたレンズを目に入れることは、自ら菌を目の中に運び込み、症状を悪化させる行為に他なりません。また、レンズを付け外しする際に、どうしても指が患部に触れてしまい、新たな雑菌を目に入れてしまうリスクも高まります。第二に、「角膜への負担」です。コンタクトレンズは、どれだけ性能の良いものであっても、角膜(黒目の部分)にとっては異物であり、酸素の供給を妨げるなど、少なからず負担をかけています。ものもらいで、まぶたが腫れている時は、目の周り全体の抵抗力が落ちている状態です。そんなデリケートな状態で、さらにコンタクトレンズによる負担をかけると、角膜に傷がついたり(角膜びらん)、角膜炎を併発したりする危険性が高まります。第三に、「薬の効果を妨げる」という問題です。ものもらいの治療の基本は、抗菌薬や抗炎症薬の「点眼薬(目薬)」です。しかし、コンタクトレンズを装着したまま点眼すると、薬剤がレンズに吸収されてしまい、患部に十分な量の薬が届かなかったり、あるいは、レンズに吸収された薬剤が、ゆっくりと放出されることで、副作用のリスクを高めたりすることがあります。では、いつからコンタクトレンズを再開できるのでしょうか。そのタイミングは、自己判断ではなく、必ず、眼科医の許可を得てからにしてください。医師が、まぶたの腫れや赤みが完全に引き、炎症が完全に治癒したと判断するまでは、たとえ症状が軽くなったように感じても、メガネで過ごすようにしましょう。不便に感じるかもしれませんが、その少しの我慢が、あなたの目の健康を、長期的に守ることに繋がるのです。

  • 痛みの原因は靴にあるかもしれない

    医療

    長引くかかとの痛みに悩まされ、ストレッチや湿布など、様々なセルフケアを試しても、一向に改善の兆しが見られない。そんな時、もしかしたら、あなたは、痛みの「本当の原因」を見過ごしているのかもしれません。その原因とは、あなたが毎日、何気なく履いている「靴」そのものです。私たちの足は、一人一人、形も、大きさも、土踏まずの高さも異なります。しかし、市販されている靴の多くは、平均的な足の形を基に作られています。そのため、自分の足に合っていない靴を、知らず知らずのうちに履き続けることで、足の特定の部分に、過剰な負担や、不自然な力がかかり続け、それが、足底腱膜炎をはじめとする、様々な足のトラブルの、根本的な引き金となっているケースが、実は非常に多いのです。例えば、「サイズが合っていない靴」。大きすぎる靴は、靴の中で足が前後に滑り、歩くたびに、指が靴の先端に衝突し、足底腱膜に余計な緊張を与えます。逆に、小さすぎる靴は、足全体を締め付け、血行を悪化させ、痛みを増強させます。また、「靴底が硬すぎる、あるいは薄すぎる靴」も、かかとにとっては大敵です。地面からの衝撃が、クッションなしで、かかとに直接伝わってしまうため、足底腱膜や、かかとの骨に、微細なダメージが蓄積していきます。デザイン性の高い革靴や、底の薄いパンプス、あるいは、すり減ってクッション性が失われた古いスニーカーなどを、日常的に履いていないでしょうか。さらに、「かかとの部分が不安定な靴」も、問題です。かかとをしっかりとホールドしてくれない、緩い作りの靴や、サンダルのように、かかとが固定されない履物は、歩行時の足の動きを不安定にし、アキレス腱や足底腱膜に、ねじれのストレスを与えます。もし、あなたのかかとの痛みが、なかなか治らないのであれば、一度、ご自身の靴箱の中を、見直してみてください。そこにある靴は、本当に、あなたの足を、そしてあなたの体を、守ってくれていますか?適切な治療と並行して、自分の足に合った、適切なクッション性とサポート力を持つ靴へと履き替えること。それが、つらい痛みから解放され、再発を防ぐための、最も重要で、そして最も効果的な一歩となるかもしれません。