地域医療機関・健康施設の紹介とレビュー

2025年10月
  • 痛みの原因は靴にあるかもしれない

    医療

    長引くかかとの痛みに悩まされ、ストレッチや湿布など、様々なセルフケアを試しても、一向に改善の兆しが見られない。そんな時、もしかしたら、あなたは、痛みの「本当の原因」を見過ごしているのかもしれません。その原因とは、あなたが毎日、何気なく履いている「靴」そのものです。私たちの足は、一人一人、形も、大きさも、土踏まずの高さも異なります。しかし、市販されている靴の多くは、平均的な足の形を基に作られています。そのため、自分の足に合っていない靴を、知らず知らずのうちに履き続けることで、足の特定の部分に、過剰な負担や、不自然な力がかかり続け、それが、足底腱膜炎をはじめとする、様々な足のトラブルの、根本的な引き金となっているケースが、実は非常に多いのです。例えば、「サイズが合っていない靴」。大きすぎる靴は、靴の中で足が前後に滑り、歩くたびに、指が靴の先端に衝突し、足底腱膜に余計な緊張を与えます。逆に、小さすぎる靴は、足全体を締め付け、血行を悪化させ、痛みを増強させます。また、「靴底が硬すぎる、あるいは薄すぎる靴」も、かかとにとっては大敵です。地面からの衝撃が、クッションなしで、かかとに直接伝わってしまうため、足底腱膜や、かかとの骨に、微細なダメージが蓄積していきます。デザイン性の高い革靴や、底の薄いパンプス、あるいは、すり減ってクッション性が失われた古いスニーカーなどを、日常的に履いていないでしょうか。さらに、「かかとの部分が不安定な靴」も、問題です。かかとをしっかりとホールドしてくれない、緩い作りの靴や、サンダルのように、かかとが固定されない履物は、歩行時の足の動きを不安定にし、アキレス腱や足底腱膜に、ねじれのストレスを与えます。もし、あなたのかかとの痛みが、なかなか治らないのであれば、一度、ご自身の靴箱の中を、見直してみてください。そこにある靴は、本当に、あなたの足を、そしてあなたの体を、守ってくれていますか?適切な治療と並行して、自分の足に合った、適切なクッション性とサポート力を持つ靴へと履き替えること。それが、つらい痛みから解放され、再発を防ぐための、最も重要で、そして最も効果的な一歩となるかもしれません。