喉の奥の赤いぶつぶつ、その正体と主な原因
風邪をひいて喉が痛い時や、何となく喉に違和感がある時に、鏡で口の中を覗いてみると、喉の奥の壁や、のどちんこの周辺に、赤いブツブツとしたものができていて、不安になった経験はありませんか。この、喉の奥にできる赤いぶつぶつは、多くの場合、喉の粘膜に、何らかの「炎症」が起きているサインです。その原因は、一つではありません。最も多いのは、ウイルスや細菌による「感染症」です。風邪のウイルスや、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが、喉の粘膜に感染すると、粘膜が充血し、リンパ組織が腫れることで、赤いぶつぶつとして見えることがあります。また、溶連菌などの細菌が、扁桃腺に感染した場合も、同様の所見が見られます。一方で、感染症以外にも、様々な原因が考えられます。例えば、胃酸が食道に逆流して、喉を刺激する「逆流性食道炎」も、喉の粘膜に、慢性的な炎症を引き起こし、赤いブツブツの原因となることがあります。また、喫煙や、アルコールの多飲、あるいは、声の出しすぎといった、物理的な刺激が、喉の粘膜を傷つけ、炎症を起こすことも少なくありません。稀ではありますが、口内炎の一種であるアフタ性口内炎や、アレルギー反応、そして、非常に稀ですが、悪性腫瘍(がん)の初期症状として、赤いぶつぶつが現れる可能性も、ゼロではありません。このように、喉の奥の赤いぶつぶつは、ありふれた症状でありながら、その背後には、様々な原因が潜んでいます。正しい対処をするためには、ブツブツの見た目だけでなく、痛みや発熱、咳といった、他にどのような症状があるかを、注意深く観察し、必要であれば、適切な医療機関を受診することが、何よりも大切です。