女性の胸の痛みは何科へ?考えられる原因と診療科
ある日突然、胸に痛みを感じると、多くの女性は「心臓の病気かもしれない」と強い不安に襲われることでしょう。しかし、女性の胸の痛みの原因は非常に多岐にわたり、心臓疾患だけでなく、消化器や骨、筋肉、さらにはストレスといった心の問題が関係していることも少なくありません。いざ病院へ行こうと決心しても、どの診療科を受診すればよいのか迷ってしまうのは当然のことです。まず、命に関わる病気を見逃さないという観点から、最も優先すべきは「循環器内科」です。特に、締め付けられるような激しい痛み、冷や汗、息切れ、肩や顎への放散痛などを伴う場合は、狭心症や心筋梗塞の可能性も考えられるため、躊躇なく受診することが重要です。一方で、胸焼けのような焼ける痛みや、食後に症状が悪化する場合は、逆流性食道炎などの可能性があり、その場合は「消化器内科」が専門となります。また、チクチクとした鋭い痛みで、体の動きや深呼吸によって痛みが強まる場合は、肋間神経痛や肋軟骨炎が疑われ、「整形外科」の領域です。女性特有の原因として、生理周期に伴って胸が張って痛む「乳腺症」や、まれに乳がんなどの病気が隠れていることもあります。胸にしこりを感じたり、左右差があったりする場合は、「乳腺外科」で相談するのが適切です。さらに、検査をしても身体的な異常が見つからないにもかかわらず、胸の圧迫感や息苦しさが続く場合は、ストレスや不安が原因の心因性の痛みかもしれません。その際は「心療内科」や「精神科」が頼りになります。どこに行けばよいか判断に迷う場合は、まずはかかりつけの内科医に相談し、症状を詳しく伝えた上で、適切な専門科を紹介してもらうのが最も確実で安心な方法と言えるでしょう。