喉の奥の赤いぶつぶつは、ウイルスや細菌、あるいは胃酸といった、外からの攻撃だけでなく、私たち自身の「生活習慣」が、原因となっていることも、少なくありません。特に、「喫煙」「アルコールの多飲」「声の酷使」といった、喉に、直接的な負担をかける習慣は、慢性的な炎症を引き起こし、喉の粘膜を、常に赤い、ぶつぶつとした状態にしてしまう、大きな要因となります。まず、「喫煙」は、喉にとって、百害あって一利なしです。タバコの煙には、ニコチンやタールをはじめとする、数千種類もの化学物質が含まれており、その多くが、喉の粘膜にとって、強い刺激物となります。これらの有害物質が、日常的に、喉の粘膜を通過することで、粘膜は、常に軽い炎症を起こした状態(慢性咽頭炎)になります。これにより、粘膜が充血し、リンパ濾胞が腫れて、赤いぶつぶつとして、見えるのです。また、タバコの煙は、粘膜の表面にある、繊毛の動きを麻痺させ、異物を排出する能力を低下させるため、感染症にも、かかりやすくなります。次に、「アルコールの多飲」も、喉の粘膜を傷つけます。アルコールそのものや、アルコール度数の高いお酒は、粘膜を直接刺激し、脱水状態を引き起こします。また、アルコールには、血管を拡張させる作用があるため、喉の充血を、さらに助長します。そして、「声の酷使」も、見過ごせない原因です。教師や、歌手、あるいは、日常的に大きな声を出す職業の人や、カラオケが好きな人は、声帯だけでなく、喉全体の粘膜に、常に物理的な摩擦と、振動という、負担をかけています。これが、慢性的な炎症と、ポリープなどの、できものの原因となるのです。これらの生活習慣が原因の場合、治療の第一歩は、その原因となっている習慣を、見直す、あるいは、やめることです。禁煙や、節酒を心がけ、声を使った後は、意識的に喉を休ませる(沈黙する)、といった、セルフケアが、何よりも重要となります。これらの習慣に心当たりがあり、喉の不調が続く場合は、一度、「耳鼻咽喉科」を受診し、喉の状態を、詳しくチェックしてもらうことを、お勧めします。
喫煙や飲酒、声の使いすぎも原因に