地域医療機関・健康施設の紹介とレビュー

2026年1月
  • 高齢者の頭痛で特に注意すべきこととは?

    医療

    高齢になると、体の様々な場所に不調が現れやすくなりますが、頭痛もその例外ではありません。しかし、高齢者の頭痛は、若い人の頭痛とは少し異なる特徴や、特に注意すべき危険な病気が隠れている可能性があるため、本人だけでなく、周りの家族もそのサインを見逃さないようにすることが大切です。若い世代の頭痛は片頭痛や緊張型頭痛といった一次性頭痛が多いのに対し、高齢者では何らかの病気が原因で起こる二次性頭痛の割合が増加します。その中でも、特に注意が必要なのが「慢性硬膜下血腫」です。これは、頭を軽くぶつけたり、転倒したりした後、数週間から数ヶ月という長い時間をかけて、脳の表面にじわじわと血液が溜まって血腫(血のかたまり)を作り、脳を圧迫する病気です。本人は頭をぶつけたことを忘れていることも少なくありません。症状は、持続的な頭痛のほかに、物忘れがひどくなる、意欲がなくなる、歩き方がおぼつかなくなるといった、認知症や老化と間違われやすい症状で現れるのが特徴です。家族が「最近、なんだか様子がおかしい」と感じたら、この病気の可能性を疑い、「脳神経外科」の受診を検討すべきです。簡単な手術で血腫を取り除けば、劇的に症状が改善することが多くあります。次に警戒すべきは、「側頭動脈炎」です。これは五十歳以上に発症する血管の炎症で、こめかみ(側頭部)にある動脈に炎症が起こります。症状としては、片側のこめかみがズキズキと痛み、触ると硬いこぶのようになっている、物を噛むと顎が痛くなる(顎跛行)といった特徴があります。この病気の最も恐ろしい点は、目の動脈に炎症が及ぶと、突然失明してしまう可能性があることです。原因不明の発熱や、急激な体重減少を伴うこともあります。疑わしい症状があれば、速やかに「膠原病内科」や「神経内科」を受診する必要があります。早期にステロイド治療を開始すれば、失明などの深刻な合併症を防ぐことができます。その他にも、脳梗塞や脳腫瘍のリスクは年齢と共に高まります。高齢者の「いつもと違う頭痛」や、頭痛に加えて麻痺や認知機能の低下、歩行障害などが見られた場合は、決して「歳のせい」と片付けず、速やかに専門医に相談することが、健やかな老年期を守るために不可欠です。

  • 頭痛を我慢しない文化へ、受診のすすめ

    医療

    頭痛は、あまりにもありふれているがゆえに、その辛さが軽視されがちな症状です。「頭が痛いくらいで仕事を休むなんて」「みんな我慢しているんだから」。そんな無言のプレッシャーの中で、多くの人が痛みに耐え、市販薬でなんとかその場をしのいでいるのが現状ではないでしょうか。しかし、私たちは、頭痛を根性論で乗り切る時代から、医療の力で賢くコントロールする時代へと、意識を転換させる必要があります。頭痛を我慢し続けることは、百害あって一利なしです。痛みは、集中力や思考力を奪い、仕事や勉強のパフォーマンスを著しく低下させます。イライラや気分の落ち込みを引き起こし、家族や友人との円滑な人間関係を損なうことさえあります。頭痛のために大切な約束をキャンセルし、趣味を楽しむ気力も失う。そんなふうに、あなたの貴重な人生の時間が、痛みによって蝕まれていくのを、ただ黙って見過ごすべきではありません。病院へ行くという選択は、決して大げさなことではないのです。それは、自分の体と生活の質に対して、責任を持つという主体的な行動です。専門医を受診するメリットは計り知れません。まず、あなたの頭痛の正体を正確に突き止めてもらえます。それが命に別状のない一次性頭痛だと分かれば、それだけで大きな安心感が得られるでしょう。そして、現在の頭痛治療は目覚ましく進歩しています。痛みが起きてから飲む薬だけでなく、頭痛そのものを起こしにくくする「予防療法」という選択肢があります。月に何度もあった頭痛が、数ヶ月に一度になる。それだけで、人生の快適さはどれほど向上するでしょうか。また、市販薬の使いすぎによる「薬物乱用頭痛」のリスクから解放されることも大きなメリットです。医師の管理のもとで、適切な薬を適切なタイミングで使う知識を身につければ、薬への無用な依存や不安から自由になれます。頭痛は、もはや我慢するものでも、一人で抱え込むものでもありません。それは、専門家と共に管理し、コントロールしていくべき健康上の一つの課題です。あなたの周りにも、もし頭痛で辛そうな人がいたら、「大丈夫?」と声をかけ、「一度、病院で相談してみたら?」と優しく背中を押してあげてください。社会全体で頭痛への理解を深め、誰もが気兼ねなく医療を頼れる文化を築いていくこと。それが、痛みに悩む全ての人々を救う一歩となるはずです。