大人とは違い、自分の言葉で体調の変化をうまく伝えられない子供。そんな我が子に、顔やまぶたのむくみ、おしっこの色がコーラ色になる血尿、あるいは学校の尿検査で異常を指摘された、といった腎臓に関わるサインが見られた時、親御さんは大きな不安を感じることでしょう。そして、「子供の腎臓の病気は、一体何科に連れて行けばいいの?」という疑問に直面します。この場合の答えは、まず「小児科」を受診するのが基本です。なぜなら、子供の病気は、大人をそのまま小さくしたものではないからです。子供は日々成長し、発達している過程にあり、その体は大人とは異なる特徴を持っています。そのため、子供に起こる腎臓病の種類や、その経過、治療法も、大人のものとは異なる点が数多くあります。小児科医は、そうした子供特有の病気に関する知識を持ち、成長や発達といった側面も考慮しながら、子供の全身を総合的に診察するプロフェッショナルです。例えば、子供によく見られる腎臓の病気として、喉の溶連菌感染症の後に発症することが多い「急性糸球体腎炎」や、大量の蛋白尿によって全身がむくんでしまう「ネフローゼ症候群」などがあります。これらの病気は、小児科で診断・治療されることがほとんどです。また、生まれつき腎臓や尿路に形の異常がある「先天性腎尿路異常(CAKUT)」なども、乳幼児健診や学校検尿をきっかけに見つかることがあり、これも小児科が最初の窓口となります。かかりつけの小児科を受診すれば、まずは基本的な診察と検査を行い、診断をつけてくれます。そして、もし病状が複雑であったり、より専門的な治療や検査が必要であると判断された場合には、小児科の中でも特に腎臓病を専門とする「小児腎臓専門医」がいる、より規模の大きい病院や大学病院へ紹介してくれる、という流れになります。学校の尿検査で異常を指摘された場合も同様です。自覚症状がないからと軽視せず、必ず結果の用紙を持って小児科を受診してください。症状のないうちに病気を発見できる、またとない機会です。子供の腎臓を守るための最初の、そして最も信頼できる相談相手は、日頃からその子の成長を見守ってくれている、かかりつけの小児科医なのです。