保育園に通う3歳の娘がアデノウイルスに感染し、ようやく回復してきた頃、今度は私の体に変調が現れました。最初は軽い倦怠感だけでしたが、あっという間に激しい悪寒に襲われ、体温計の数字は39.5度まで跳ね上がりました。子供の病気が大人にうつると重症化するという話は聞いていましたが、これほどまでとは思いませんでした。翌朝、私は出勤することを諦め、上司に連絡を入れましたが、その時点では「2、3日休めば戻れるだろう」と楽観視していました。しかし、アデノウイルスはそんなに甘いものではありませんでした。診断の結果は、娘と同じアデノウイルス感染症。医師からは「大人、特に親御さんはお子さんのケアで疲弊しているところに感染するため、治りが遅くなることが多い」と説明されました。私を最も苦しめたのは、高熱だけでなく、目の充血と目やにでした。朝起きると目やにでまぶたがくっついて開かず、白目は真っ赤に染まっていました。視界がぼやけ、光が眩しくてスマートフォンやパソコンの画面を見ることさえ苦痛となりました。この状態で仕事のことなど考えられるはずもなく、結局、有給休暇を1週間以上消化することになりました。職場では重要なプロジェクトの佳境であり、自分が抜けることによる周囲への負担を考えると、申し訳なさと焦りで精神的にも追い詰められました。しかし、体は一向に動かず、熱が下がった後も激しい咳と全身の倦怠感が執拗に続きました。アデノウイルスはインフルエンザのように5日間経てば完治という明確な区切りがなく、ダラダラと症状が長引くのが大人の特徴です。会社からは「無理せず治してから出てきて」と言われましたが、その言葉の裏にある「いつになったら来れるのか」という無言のプレッシャーを感じ、家で寝ている間も心が休まることはありませんでした。最終的に出社できたのは発症から12日目のこと。出社初日、同僚たちに平謝りしながらデスクに座りましたが、集中力が続かず、以前のようなパフォーマンスを発揮できるまでにはさらに時間が必要でした。この体験から得た教訓は、子供が感染症にかかった際、大人は「自分もうつっている可能性がある」という前提で、早めに業務の引き継ぎや調整を行っておくべきだということです。そして、感染してしまったら、焦っても回復は早まりません。むしろ無理をしてこじらせることの方がリスクが高いのです。アデノウイルスは大人から社会生活の基盤を一時的に奪い去る恐ろしいウイルスです。予防のためには、子供の看病の際も徹底した手指消毒と使い捨てタオルの活用が不可欠であることを、身をもって学びました。
子供からもらったアデノウイルスで職場を長期欠勤した会社員の苦悩と回復の道のり