忘れもしない去年の夏、我が家の3歳の長男が手足口病にかかりました。最初はほんの少しの微熱から始まり、翌朝には手のひらと足の裏に小さな赤いポツポツが出現。あっという間に口の中にも口内炎ができて、大好きなゼリーすら痛がって食べられない状態になりました。小児科の先生からは「熱が下がって元気があればお風呂は大丈夫ですよ」と言われましたが、初めての経験だった私は、パンパンに腫れた足の水ぶくれを見て、本当にお湯につけていいものか、非常に不安でした。熱が37度台に落ち着いた2日目の夜、本人が「お風呂に入りたい」と泣いて訴えたため、意を決して入浴させることにしました。まず気をつけたのは、浴室の温度とシャワーの刺激です。水ぶくれが破れるのが怖かったので、シャワーの勢いを一番弱く設定し、温度も体温に近い38度くらいのぬるま湯にしました。驚いたのは、お風呂に入った瞬間に長男が「足が痛い!」と叫んだことです。どうやら、お湯の温度というよりも、水に触れること自体が敏感になった皮膚には刺激だったようです。慌てて湯船に浸かるのはやめ、椅子に座らせて手早く洗うことに切り替えました。石鹸は、普段から使っている無添加の泡タイプを選び、手のひらで転がすように洗いました。足の指の間の水ぶくれは、まるで宝石のように透き通っていて、少しでも触れたら潰れてしまいそうで、私は生きた心地がしませんでした。入浴時間はわずか5分ほどで切り上げ、バスタオルで包むようにして浴室を出ました。お風呂上がりの長男の皮膚を見ると、ぬるま湯だったにもかかわらず、赤みが少し増しているように見えて、やはり刺激が強すぎたのではないかと反省しました。翌日からは、湯船につかるのはやめて、足元にお湯を溜めた状態で上半身をさっと拭いてあげるだけの「部分浴」とシャワーにしました。すると、痛みも感じなかったようで、機嫌よく過ごすことができました。この経験を通して学んだのは、教科書的な「お風呂OK」の基準と、子供一人ひとりの「痛みの感受性」は違うということです。手足口病の水ぶくれは、見た目以上にデリケートで、温まることが必ずしもリラックスに繋がらない場合もあるのだと痛感しました。特に口の中が痛い時は、喉も乾きやすいため、お風呂上がりの水分補給には細心の注意を払いました。常温のイオン飲料をストローで少しずつ飲ませ、脱水を防ぐことに専念しました。最終的に水ぶくれがかさぶたになり、皮が剥け始めたのは発症から1週間後くらいでしたが、その頃には普通の温度のお風呂でも全く痛がらなくなっていました。今回のドタバタのお風呂体験は、私にとって子供の皮膚疾患に対する向き合い方を深く考えるきっかけとなりました。もし次に誰かがかかったら、もっと落ち着いて、本人の皮膚の状態を指先で確認しながら、優しく寄り添ってあげたいと思います。