32歳の夏、私は人生で最大級の身体的苦痛を経験しました。それは、保育園に通う息子からうつったおたふく風邪でした。最初は「なんだか喉が痛いな、風邪かな」という程度の軽い違和感でしたが、翌朝目が覚めると、右の耳の下がピンポン玉を仕込んだように硬く腫れ上がっていました。鏡を見て、その人相の変わりように絶句したのを覚えています。それから数時間のうちに体温は39度を超え、激しい悪寒に襲われました。大人の体にとって、ムンプスウイルスという外敵はあまりにも強力でした。最も辛かったのは、食事という当たり前の行為が「拷問」に変わったことです。唾液を出すだけで耳の下に火がついたような激痛が走り、お粥一粒を飲み込むのにも決死の覚悟が必要でした。大好きなオレンジジュースを一口飲んだ瞬間、あまりの痛さに涙が止まらなくなり、洗面所に駆け込んだこともありました。病院で「大人は長引きますよ」と言われた通り、右の腫れが引き始めた4日目、今度は左側が同じように腫れ始めました。絶望という言葉がこれほど似合う状況はありませんでした。また、予期していなかった下腹部の鈍痛にも悩まされました。医師に相談すると、卵巣炎の可能性も考慮して安静にするよう厳命されました。独身時代とは違い、家事も育児もこなさなければならない立場でしたが、この時ばかりは家族にすべてを預け、真っ暗な寝室でひたすら保冷剤を頬に当てて過ごしました。10日間という期間、外の世界から完全に遮断され、鏡を見るたびに自分の腫れぼったい顔に落ち込み、精神的にもかなり追い詰められました。仕事も長期欠勤を余儀なくされ、同僚への申し訳なさで心が休まることはありませんでした。ようやく熱が下がり、顔の輪郭が元に戻り始めたとき、外の空気を吸えることの有り難さを心から実感しました。しかし、完治した後も1ヶ月ほどは疲れやすく、おたふく風邪のダメージがいかに深いものであるかを思い知らされました。この体験を通して、私は「子供の病気」と甘く見ていた自分を深く反省しました。もしあの時、事前に予防接種を受けていれば、これほどの苦しみは回避できたはずです。今、同じように忙しい毎日を送る女性たちに伝えたいのは、自分の体は決して無敵ではないということです。特に感染症は、突然日常を奪い去ります。おたふく風邪の痛みは、経験した者にしか分からない孤独で過酷なものです。あの10日間の記録が、誰かの予防意識を高めるきっかけになることを願ってやみません。
おたふく風邪で顔が腫れた私の10日間におよぶ過酷な闘病記録